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鬼を酢に指して食う
恐ろしいことであっても、全く平気なことのたとえ。「鬼を酢にして食う」ともいう。
鬼を一車に載す
(恐ろしい鬼といっしょに車にのる意から)非常に恐ろしく危険なことのたとえ。
鬼に衣
1.(鬼は裸で生活しているところから)不必要なもののたとえ。2.(鬼が僧衣を着ていることから)一見したところはやさしそうにみえるが、心の中は恐ろしいことのたとえ。
鬼の霍乱
ふだん非常に丈夫な人が、思いがけなく病気になることのたとえ。
(参考)「霍乱」は、中国では嘔吐や下痢を起こす急性消化器疾患の総称とされていた。日本では一般に日射病や暑気あたりをいったが、古くは腹痛や嘔吐を伴う急性胃腸病をさした。
鬼の起請
文字は拙劣だが筆に勢いがあることをいう。
(参考)「起請」は人と人との約束や契約を神仏を仲介してとりかわすことで、その誓いの内容を書いたものを「起請文」といった。起請文は権威のあるものとされていたために、筆に勢いのある文字が書かれた。
鬼の首を取ったよう
大手柄をたてたように有頂天になるさま。
鬼の念仏
(恐ろしくて残忍な鬼が念仏をとなえることから)1.無慈悲で残酷な心を持った者が、うわべだけ慈悲深そうにふるまうこと。2.柄にもなくおとなしそうに、殊勝らしくふるまうことをひやかしていう。「鬼の空念仏」ともいう。
鬼の一口
鬼が一口で人を食うように、物事の処理の仕方が激しくすばやいたとえ。2.たいへん危険な目にあうことのたとえ。
鬼の目にも涙
(冷酷な鬼でも時には人情が通じて涙を流すことがあるということから)ふだん厳しく無慈悲な人でも、たまには情に感じて慈悲心をおこし、優しい態度をとることがあるということ。
鬼の目にも見残し
(鬼はなんでも見とおす鋭い目を持つが、時には見落としがあるという意から)どんなに慎重に配慮していても、なおかつ落ち度や不注意があるということのたとえ。
鬼の中にも仏が居る
鬼と呼ばれるような情けしらずの悪人の中にも、仏のように優しい心の持ち主はいるものだというたとえ。
鬼が住むか蛇が住むか
世間にはどんな恐ろしい人がいるかわからないということ。また、人間の心の中にはどんな恐ろしい考えがひそんでいるか予想もできないということ。
鬼が出るか蛇が出るか
前途にどんな困難が待ちうけているか予想がつかないことにいう。
鬼が仏の早変わり
陰では鬼のように凶悪なことをする者が、人前では仏のように善人らしく振る舞うこと。
鬼が笑う
見通しがはっきりしない希望や、実現が難しいと思われることなどを言ったときに、それをからかって言うことば。
鬼瓦にも化粧
醜くいかつい女性であっても、化粧をすれば少しは美しく見えるということ。⇒馬子にも衣装
(英) No woman is ugly if she is well dressed.
(着飾ればいかなる女も醜くない)
鬼と戯れ言
(鬼が親しげに冗談を言っても、その本心がわからず不気味なように)親しくされればされるほど、かえって気味悪く感じることのたとえ。
鬼に金棒
(強く恐ろしい鬼にさらに強力な武器を持たせることから)ただでさえ強いうえに、さらに強力なものが加わることのたとえ。
鬼に瘤を取らる
一見したところ不幸な目にあったようでいて、思わぬ幸運を招き、それまでの苦労の種がなくなることのたとえ。
鬼の居ぬ間に洗濯
主人やうるさい者などがいないすきに、息抜きをし、ひと休みすること。「鬼の留守に洗濯」「鬼の来ぬ間に洗濯」ともいう。
(用例)いま、現場監督の姿が見えないね。鬼の居ぬ間に洗濯だ。一服しよう。
(参考)「洗濯」は命の洗濯の意で、息抜き。
(英)When the cat's away,the mice will play.
(猫がいないとき鼠が遊ぶ)
上記以外にお知りの方は教えて下さいませ。
ありがとうございました。